「プログラマーは理系、文系は向いていない」という認識が一般的だと思います。
たしかに、理系はプログラムを実行するハードウェアを構造から理解する分野に長けているため、「理系が向いている」というのは真実です。
しかし、そういった構造を勉強する機会が少ないために「理系以外でないと向いていない」という理解は、必ずしも妥当とは言えません。
プログラムは、ハードに対する複数の命令により構築されています。こうした命令の構築だけならハードがどのようにできているかなどの知識は全く必要ないからです。
例えるなら、子供に勉強を教える際、児童教育の理論まで理解している教師が最も向いていますが、そういった理論を学んでいなくとも単に何かを教えるだけなら誰にでもできるのと一緒です。
場合によっては、学校の教師以上に子供に物事を上手に教える親がいるように、文系出身であろうとも素晴らしいプログラムを組むことができる人はいます。
プログラムに必要なのは、ハードに一定の働きをさせるために命令をどのように組んでいけば良いのかという構成力と、その命令と命令の間を埋めていくのにはどうすれば良いのかという発想力です。
これは文理に関係なく磨くことができる能力です。
むしろ、構成力を「ストーリー展開」、発想力を「つじつま合わせ」だと置き換えれば、小説などに触れている文系の方がよほどこれらを磨く訓練の機会に恵まれており、プログラマーに向いていると言えます。